「そういう風にならない」というのは,の前にOpen Chromatin とは何ぞや

DNAは膨大な数のヌクレオチドがつながった(ヒトで2mくらいらしい)高分子であるが,そのままだと細胞に収まらないしブチ切れちゃったりしたら危ない(DNAは強い振動を与える・超音波を当てるなどの物理的操作で簡単に切れる)のでヒストンというタンパク質に巻きついている.この巻きついたものが更に折り畳まれて,という風にしてできた構造がクロマチン(chromatin)と呼ばれるもの.
そしてクロマチン構造はただ単に折り畳むだけじゃなくて遺伝子の発現制御にも役割を果たしていて,折り畳まれているとプロモーター領域にRNAポリメラーゼがくっつくことができないので転写が始まらない.逆にプロモーター領域のクロマチン構造がオープンになっている遺伝子というのはその細胞において発現していると考えられる.
Open Chromatin はそのクロマチン構造のオープン度合いを調べる実験.
実際に調べる方法にはDNアーゼを使う手法(DNアーゼでどれくらい分解されるかを見る),クロマチン免疫沈降(ある配列に特異的に結合するタンパク質(転写因子など)がどの程度結合するかを見る)などなどがあるみたい.